宮古島は森も川もなく水辺に乏しいと思われがちですが、添道(そえどう)集落裏のサガリバナ群落や池間島の湿原、大野山林などに見られるように、豊かな自然が数多く残っていることがわかっています。宮古島環境クラブでは、宮古島特有の動植物と水環境の保全回復を地域のみなさんとともに考え、宮古島の貴重な自然を残すために活動の輪の拡大と、各分野への発信をしていきたいと思っています。
◆◆◆ 宮古島の植物

マングローブの後背地に生える低木。毎年、梅雨明けの頃、夜に花を咲かせ、それをライトアップして夜の花見を楽しむ。サキシマスオウノキなどとバックマングローブを構成し、八重山諸島では『ズルガキ』と呼び、宮古島では川が無いためか呼び名が無い。ここ、宮古島添道のサガリバナの起源は不明。

マングローブの一種。宮古島はヒルギダマシの世界分布北限に近く、日本では北限であった。今は沖縄本島にも持ち込まれ、中城湾一帯で生育域を広げている。葉の裏にキラキラした塩粒が見られ、なめるとしょっぱい。南国では栄養価の高い家畜の飼料として、薪などの燃料として重要な植物資源になっている。

宮古島与那覇湾奥の川満海岸でとれた天然のクビレツタ。『ンギャフ』と呼び、浅瀬の砂泥地に生育しており、泳ぎながらよく口にした。海水とちょっとした苦味がする。今は、陸地で養殖が盛ん。

宮古島でアダムンと呼ぶ。海岸の岩礁や砂浜で多く生育している。実は南の国から黒潮で運ばれ、『漂着種子』として海岸に流れ着き、そこで運よく発芽する。果肉と突起の付け根は甘く、子どものころ、一つ一つをかいてかじった。

宮古島の絶滅危惧種ケミズキンバイの花。この島では多くの水田がサトウキビ畑へ替えられ、農地基盤工事などで、淡水の湿地が失われた。多くの湿地が失われたことと外来種により、この種の生育環境が少なくなった。
◆◆◆ 宮古島の動物

宮古島へは人が持ち込んだと言われる。島でよく見られる陸ガメの一種。夜行性で湿地や池などの水辺で見られ、雑食で魚、水の昆虫、ミミズ、水草などを食べる。

『マナタ』と呼び、『ミヤコヒキガエル(フナタ)』とともに多くみられる。これより小さいヒメアマガエルと同様に、雨の前や降雨中に大合唱する。動きは早く、ジャンプがすごい。

『フナタまたはカーフナタ』と呼び、宮古島の固有種。畑や道路、家の周りなどで良く見かけるカエル。淡水の湿地や池、沼などが島から多く消失したため、産卵やオタマジャクシが育つ環境が少なくなっている。動きは鈍い。

その名のとおり樹上で生活。クモなど樹上の昆虫を食べる。ヤマインorガーラファイアと呼び、しっぽが簡単に切れないので昔の子どもは尾を草でしばり、トカゲ同士でケンカさせて遊んだと言われる。サシバなど肉食性の鳥類やヘビ類、イタチなどの餌になる。

宮古島の固有種で『バカギザあるいはパリイズゥ(畑の魚)』呼ばれ、昔は貴重なタンパク源にもなったようだ。農地整備や機械化などで生息環境が悪化したため個体数が減少し、絶滅危惧種に指定されている。サトウキビを刈り取った後、晴れた日の枯葉で良くみられる。